2015年
11月
28日
土
昨日は、浜松に用事ができたので、これ幸いと(笑)、いま開催中の浜松国際ピアノコンクール(Hamamatsu International Piano Competition)を聴いてきました。
用事を済ませてから、午後3時前に会場のアクトシティに着いたんですが、3時半まで休憩中ということで、ロビーの展示物をじっくり鑑賞。
出場者全員の顔写真(右側がちょっと切れちゃいました)。
赤い花がついているのは、1次を通過できて2次に出る人たちです。
この日は2次の1日目でした。
メダリストに授与されるメダルも展示してありました。
1位には300万円の賞金も与えられるそうですが、宝くじで1億円当てるより難しいですね(笑)
宝くじはほんの僅かでも、くじを買った人全員に可能性ありますからね。
左側は、昨日の演奏者の順です。
右は審査員の顔写真。
アルゲリッヒも加わっていたんですね。
審査員は2階席にいたんじゃないかと思うんですが、見えませんでした。
私が聴いたのは、3時半からの沼沢淑音(Numasawa Yoshito)さんと、アンドレイ・シチコ(Andrei Shychco)さん。
2人だけですけど、1人40分ずつで3曲ぐらいずつ弾くので、聴きごたえありました。
うち1曲はこのコンクールのための日本人作曲家の委嘱作品を弾かなくてはいけないので、これが結構難しいんじゃないかと思いました。
ほかの曲は自分の得意な曲が弾けますけど。
2人ともテクニックは完成されていて、シチコは体格もよく、お腹に響くような音量でした。
あまり細かいことは書きませんが、レベルが高くても、胸に響くような、染みるような演奏というのは、難しいものだなと思いました。
素人のような感想ですけど(笑)
私は聴いた中では、沼沢さんの弾いたドビュッシーの「喜びの島」がよかったと思いました。
前からこのコンクールを聴きたいと思っていたんですが、静岡県は横に長いので、清水から浜松は結構距離もあり、忙しさに紛れて聴いたことがありませんでした。
でも、会場のアクトシティは浜松駅のすぐ目の前だし、3年後の次回はもっと早くから日程を気にして、もっとじっくり聴きに来たいと思いました。
コンクールって、自分が聴いた人の評価はどうだったのかとか、次のステージに進んで入賞できるかとか気になるし、面白いですよね。
このレベルのコンクールなら、普通にコンサートを聴くように楽しめるし、勉強になります。
浜松に住んでいる人は羨ましいです。
通し券というものもあるんですね。
できるものなら、どこかに泊まり込んで、1次から本選まで審査員並みに全部聴いてみたいな。
この後の結果発表なども、コンクールのホームページで見られるので、楽しみです。
2015年
11月
24日
火
日・月と、長男のところに行っていました。
霞が関周辺。
今年は暖かいので、イチョウの黄葉も遠慮気味ですね。
mon petit-fils
9月の初めから会っていなかったので、初めはちょっと照れていました。
子供の成長は速いですね。
この前は、何にでも「いいよー」「いいよー」と言っていたのに、今は何かと「やあだー」「やあだー」と言っています。「やあだー」が彼の中で今のブームみたいです。
ちょっとしたこじらせ男子?
Avan il disait toujours "oui,oui",mais maintenant il dit toujours "non,non".
この子の未来に、戦争やテロのない、平和な世界が待っていてほしいと願っています。
世界のどこであれ、子供が犠牲になったり悲しい目に遭うのは、本当につらいですね。
2015年
11月
21日
土
きょうは2週間ぶりのフランス語のレッスンの日でした。
パリでのテロ事件、フランソワ先生も心を痛めていらっしゃいました。
弟さんがパリにいるけど、小さいお子さんがいて、あまり出掛けないので大丈夫とのことでした。
きょうはテキストは開かず、もっぱらこの事件が起きたフランスの歴史的背景について、板書しながらゆっくりフランス語でお話ししてくださいました。
わからないところは、私たちが「ん?」ってなるので日本語に直しながら。
「ん?」率高いんですけどね(笑)
王政(la Royauté)からフランス革命(la Révolution)を経て共和国(République)になったフランス。でも、その間もNapoléonというEmpereurがあらわれて、矛盾していたこと。
植民地主義(le colonialism)の時代と、悲惨なアルジェリア戦争(la guerre d'Algérie)。
第二次世界大戦(la seconde guerre mondiale)の後の経済発展の中で、多くのアルジェリア人などを働き手として迎え入れたこと。
その時代は、特に人種間の問題はなかったそうです。
でも、オイルショック(choc pétroler)以後、移民の人たちの仕事がなくなり、さまざまな問題が出てきたということです。
とても複雑な歴史や背景があり、簡単には説明しきれないというお話でした。
いずれにしても、観光地として人気が高く、お洒落な綺麗な街というイメージが強いパリの、そしてフランスのそれ以外の面を、私たちが考える機会にはなりました。
何とかいい方向に収束していってほしいと願うのですが…
2015年
11月
19日
木
パリのテロ事件に関連して、ネットである話題がアップされていました。
http://news.livedoor.com/article/detail/10844170/
テロリストの襲撃事件が起きた翌日の14日に、南ドイツから1人のピアニストが車に簡易ピアノを載せてやって来て、バタクラン劇場の前で「イマジン」を演奏したというものです。
レストランでテロ事件のニュースを見ていて、矢も楯もたまらず、車にピアノを積んで640キロを一晩で走って現場に駆けつけたのだそうです。
こんな事件があると、本当に1人ずつの人間は無力で、音楽も世界を変える力なんてないと思ってしまうのですが、こういう話題を耳にすると、微力であっても傷ついた人の心を慰める力はあるんじゃないか、そしてそれは決して小さなことじゃないと思えます。
このピアニストの行動を斜めな角度から見る人もいるかもしれませんが、こうせずにはいられなかったという彼の気持ちこそが尊いのではないかと思います。
まだまだ不穏な動きが続いていますが、パリはもちろん、世界のどこでもみんなが平和に安心して暮らせるようになってほしいと願っています。
2015年
11月
17日
火
J'ai été surprise par cette mauvaise nouvelle.
Lorsque j'ai visité Paris,c'était une ville très belle.
Mais maintenant…
Je suis très triste.
J'espère que la paix reviendra à Paris.
パリでの連続テロ、とてもショッキングでした。
旅行したときに見たパリの街並みはとても綺麗で、カフェの外のテーブル席で人々がくつろいでいる風景も、いかにもパリらしくお洒落でした。
その日常が、あれだけの短い時間で全く違う風景になってしまいました。
十数カ国の人々が巻き込まれたそうで、亡くなられた方の中に日本人がいなかったのは不思議なくらいですね。
私は旅行者として短時間見ただけですけど、パリには行く前に想像していたよりずっと多くの黒人やアラブ系の人々がいて、地域によって割合が違う印象でした。
表面を見ただけではわからない、いろんなひずみや、必ずしも幸せに暮らしているとは限らない人たちが混在しているのでしょうね。
東西ドイツの壁がなくなったり、ソ連が崩壊して東西の冷戦がなくなったとき、世界は大きく平和に近づいた気がしましたが、あれは幻想だったんでしょうか。
日本はヨーロッパからもシリアからも遠いですが、世界は格段に狭くなっています。
地球の未来を考えると、胸がざわざわと波立つ思いです。
一個人は何の力もないので、ただただ平和を祈るばかりです。
2015年
11月
08日
日
NHKのクラシック音楽館で、先ほどジャン=イヴ・ティボーデ(Jean-Yves Thibaudet 1961~ )の演奏でラヴェルのピアノ協奏曲をやっていましたね。
さすがでした。
フランスの作曲家ラヴェルの曲をフランス人のティボーデが、見事に過不足なく弾き切っていました。
響きが多彩でさまざまな要素を駆使した、高い演奏技術を要求するこの曲を、テクニック充分なティボーデが、色彩豊かに、ジャズ的な要素も生き生きと表現していましたね。
もうこの曲は十八番という、すっかり手の内に入った感じが見て取れました。
ファッションも独特でお洒落です。
上着が短めのタキシードにシルク(?)の黒いシャツの襟を立て、大きなキラキラのペンダント、靴も全部キラキラです。
でも、ステージの出入りを見ていると、とても歩きやすそうな靴でしたね。
ということは、ペダルも踏みやすいでしょう。特注かな?
以前はヴェルサーチのコスチュームを愛用していたけど、最近はヴィヴィアン・ウエストウッドというデザイナーがお気に入りだそうです。きょうのもそうなのかな。
ブルゴーニュ・ワインのコレクションや絵画のコレクションも、かなりなものだそうです。
ついでに、ホモ・セクシュアルであることも公表しているそうで、そういう方は美意識の強い方が多いような気もしますが、どうでしょう。
聴き手としては、ピアニストがホモ・セクシュアルであろうとそうでなかろうと、いい演奏が聴ければ満足ですけどね。
2015年
11月
02日
月
もう11月。2015年も残り少なくなってきましたね。
きょうは大人の方でレッスンにみえている方のお話を少し。
もう長いおつき合いになる、私と同年代の方。ベートーヴェンでもショパンでも、もう何でも弾ける方です。
でも、お仕事がお忙しいので、大曲や難曲に挑戦するよりは、ご自分が弾きたい曲や私がお薦めする曲を中心にレッスンしています。
ここのところしばらくはシューマンの「子供の情景」を弾いていたのですが、完成に近づいてきました。全部で13曲から成るこの作品は、第7曲の「トロイメライ」で知られていますね。
とても抒情的で精神的な、シューマンの名作です。
出張もあったり、忙しい方なので、1曲ずつ丁寧に弾き進めて、ようやく全曲通して弾けるようになりました。
もうお一人は、まだ若い方ですが、いまはブラームスのインテルメッツォOp.118の2を弾いています。
体調に波がある方なので、ご自分のペースで焦らずにお好きな曲を弾いています。
この曲は彼女にぴったりの曲じゃないかなと私は思っています。
きらびやかな派手な曲ではないので、あまり知らない人が多いんじゃないかと思いますが、一度聴くとみんな好きになると思います。
とても内省的で深く心に染み入るような、心癒される曲です。この方も、数カ月かかりましたが、そろそろ完成です。
ご家族にも「ほんとにいい曲だね」と言われるそうで、ご家族が楽しみに聴いてくださっていることも、張り合いになりますね。
この曲の前にドビュッシーの「アラベスクⅠ」を弾いていたときは、電話でおばあちゃまに聴いていただいたところ、演奏が終わったら電話の向こうでおばあちゃまが泣いていらっしゃったそうです。
弾けていないときは厳しいこともおっしゃる方だそうですが、このインテルメッツォも、そろそろ聴いていただけるんじゃないかなと思います。
ピアノは歴史も長く、表現の幅も広い楽器なので、魅力的な曲が数え切れないほどあります。
1曲ずつ勉強していくことで、一生楽しめますね。