数日前、新聞の訃報欄に「荒 憲一さん」という文字を見て、驚きました。
いつもお元気なイメージしかなかったので。
荒 憲一さんは、知る人ぞ知るピアニストで、私の先生と親しかったので、いつもお話も伝え聞いていたし、リサイタルやアンサンブルのコンサートも何度か聴かせていただきました。
先生のご自宅にもときどきいらして、先生の若い優秀な生徒さんたちのレッスンをしていたので、聴講させていただいたこともあります。
いつもエネルギッシュで、とにかく音楽に対する愛と熱意に溢れている方でした。
レッスンも、聴いているだけで圧倒されるようなパワフルな指導でした。
芸大卒業後にドイツに留学され、あちらの女医さんと結婚されて、ドイツと日本を行ったり来たりして活動されていたと伺っています。
先生の息子さんに荒さんが子犬をプレゼントされたことがあって、「荒さんの息子さんと同じフィリップという名前をつけたんだけど、全く同じでは恐れ多いから、荒さんの息子さんは名前の終わりにeがつくけど、うちのフィリップにはeがつかないのよ」と、先生が笑いながらおっしゃっていたことも思い出されます。
ピアニストとしても指導者としても、素晴らしい方でした。
先生も力を落とされているんじゃないかと思いますが、少し時間を置いてからお話ししてみたいと思っています。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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