先日、たまたまテレビでNHKのBSに合わせたところ、「ショパン・時の旅人たち 第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクール」というドキュメント番組をやっていました。
11月に放映したものの再放送だったようですが、これは面白そうと思い録画しておいたものをじっくり見てみました。
ショパン国際ピアノコンクールは、言わずと知れたメジャーなピアノコンクールですが、このピリオド楽器コンクールは、現代のピアノではなく、ショパンが生きた時代のフォルテピアノ、つまりピリオド楽器でショパンを弾くコンクールということで、今年の9月にワルシャワで記念すべき第1回が開催されたんですね。
なるほどですね。
ショパン自身は現代のスタインウェイやヤマハのモダンピアノで演奏したり作曲していたわけではないのですから、その当時の楽器で再現してみようというのは、大いに意義のあることですね。
番組では主に3人のピアニストに焦点を当てて、インタビューしながら取材していました。
中国人の女性ピアニストとウクライナ生まれでロンドンで活動する女性ピアニスト、そして日本人の川口成彦さん。
中国の両親の期待を重く感じているマ・シジャ、前回のショパンコンクールで惜しくも本選に進めず雪辱を果たしたいディナーラ・クリントン、芸大のピアノ科ではなく楽理出身で10年前からピリオド楽器奏者として活動している川口さん。
それぞれの背景が丁寧に描かれ、よりドラマが感じられます。
それにしても、ピリオド楽器って現代では生産されていなくて、特別な場所にしかないのですから、練習する環境をつくるだけでも大変なことですね。
結果はシジャは2次に進めず、クリントンはファイナルに進めず、3人の中で川口さんだけがファイナルで演奏できましたが、3台の楽器、ブッフホルツ、エラール、プレイエルのどれを選ぶかの葛藤など、その難しさや緊張感がひしひしと伝わってきました。
結局、希望していたけど練習に提供してもらえなかったブッフホルツではなく、プレイエルで演奏して見事2位に輝きました。
そのほかの1位、同点の2位、3位の3人のピアニストは全員ポーランド人でしたから、川口さんの2位は素晴らしい成績ですね。
やはり10年にわたる研究や実績の勝利だったんじゃないでしょうか。
テクニックがすごいほかのピアニストの中で、川口さんはむしろピリオド楽器の魅力を最大限に引き出していました。
川口さんって、とてもにこやかでコミュニケーション能力も高い人のように見受けました。
そして楽理科出身らしく、インタビューでの説明もとても論理的でわかりやすく、同時に情緒豊かで、演奏家としても研究者としても素晴らしい方ですね。
ピリオド楽器についてはあまり知らなかったのですが、この番組を通じて知ることができ、興味が湧きました。
このコンクールは第1回でしたから、2回目からはさらに研究を重ねたピアニストたちが挑戦してくるでしょう。
5年後もとても楽しみです。
NHKさんは、また番組つくってくれるんでしょうか。
期待しています(^^♪
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