ザ・プロファイラー ショパン

NHKのBSプレミアムの「ザ・プロファイラー」という番組、見たことがなかったんですが、ショパンを取り上げていたので、初めて見てみました。

 

司会は岡田准一さんなんですね。

ゲストは美輪明宏さん、古坂大魔王さん、作家の平野啓一郎さん。

そしてピアニストの仲道郁代さんがピアノ演奏を担当。

 

ショパンがなぜ独自の音楽世界を築くことができたのかとか、ジョルジュ・サンドとの関係とか、さまざまな角度からショパンの人物像に迫るような番組でした。

 

姉妹に囲まれて育った生い立ちとか、内気で繊細、あまり体力もなくて大きな音が出ないので、大変な名人なんですけどホールでの演奏には向かなかったとか、サンド親子のごたごたに巻き込まれる形で破局したとか、既に知られていることが多くて、そんなに新鮮味はなかったんですが、改めてショパンの人間像について考えさせられました。

 

ゲストの皆さんもそれぞれの立場からお話ししていて、それぞれの人柄も出ていて面白かったですが、平野さんはショパンを題材にした小説やエッセイも書いていて、相当詳しい方だと思うので、もっとお話を聞いてみたかったなと思います。

 

ショパンが名声もあり財力もあるサンドに庇護されるような形の恋愛だったことは、姉妹たちの中で大事にされて育った生い立ちや、結核で健康に不安を抱えていたこと、若くして祖国ポーランドを出てからポーランドで革命が起こって帰国できなくなってしまい、愛する家族と離れて異国で暮らす寂しさが影響していたのは間違いないのではないかと思います。

そして、そういう境遇が音楽にも反映しているのでしょう。

 

でも、それにしても稀有な個性ですよね。

ほかの作曲家は、例えばベートーヴェンでも初期の作品はモーツァルトに似ていたり、曲によっては他の作曲家の作品に近かったりするものですが、ショパンだけは、それほど知られていない作品でも、「ああ、これはショパンかな」と、誰にでもわかるんじゃないかと思います。

 

番組では、子供のころについていた先生が、ヴァイオリンの教師でピアノはあまり弾けない人で、ショパンはほとんど一人で学んだんじゃないかと言っていました。

確かにあまり教え込まれなかったのは大きいと思いますが、教え込まれなければあれだけの個性が湧いてくるとも思えません。

やっぱりあの稀有な才能は、天からの授かり物だったのでしょうか。