les fleurs de cerisier

昨日の暖かさで、開花が遅れていた桜も、ほぼ満開になりましたね。

きょうは一転、花冷えで空も曇り模様。

明日は風が吹くというのですから、毎年この季節は天気の変化に桜も翻弄され、桜に焦がれる人々も翻弄されます。

その儚さが、また日本人の心に迫るんでしょうね。

白に近いような淡い花の色と、黒々とした幹の色のコントラストも、対比の妙ですね。

 

古来、日本人は梅の花に最上級の賛辞を贈っていて、源氏物語でも「木の花は濃きも薄きも紅梅」と書かれています。

でも、光源氏にとって理想の女性である紫の上は、桜の花にたとえられています。

 

桜の花は、清楚で愛らしくもあり、同時に妖艶でドキッとするような両面性を備えているように思います。

 

日本語は曖昧で、桜と言えば花のことでもあり木のことでもあるのですが、フランス語で“le cerisier”(ル・スリズィエ)と言えば桜の木のこと。桜の花は明確に“les fleurs de cerisier”(レ・フルール・ドゥ・スリズィエ)「桜の花」と言わなければならないそうです。