ユジャ・ワン

録画してあったNHK「クラシック音楽館」で放送されたユジャ・ワン(Yuja Wang 王羽佳)のショパン、ピアノ協奏曲第2番の演奏を聴きました。

 

世界的に今、大変人気のあるピアニストなんですね。

私が最初に彼女の演奏を聴いたのは、BSプレミアムの「クラシック倶楽部」でした。

とにかく圧倒的なテクニック、女性とは思えない強靭なタッチと音量。

そして、一度見たら忘れないような仰天する舞台衣装(笑)

 

ぎりぎりミニスカートに高いピンヒールと厚底のパンプス。

いつもとにかく露出度が高いんです。

ただ小麦色の肌とアスリートのように引き締まった体で、いやらしい感じや官能的な感じは全くないんですけど。

 

今回はロングドレスでしたが、前がウエストのあたりまで割れていて、背中も大きく開いていて、もちろんそれでは安定しませんから、フィギュア・スケートの衣装のような肌色の薄い布がついていましたけど、そこまでしてもこういうデザインのドレス着たいのかな。

 

いつも彼女のドレスは物議をかもすらしく、擁護派と批判する側とあるようです。

私は批判するというよりは、消化できないというか(笑)

これもピアニストとして売り出すための手段の1つでもあったのか。

でも、彼女自身がこういうドレスやピンヒールにはこだわりがあるようですね。

ヨーロッパのような伝統を重んじる国々の出身ではないからできるのかもしれません。

 

経歴を見ると、仙台のコンクールで3位を取っているくらいで、大きなコンクールの受賞歴はないんですね。

でも、大変な人気なので、受賞歴ももう必要ないのかな。

 

演奏のほうは、やはり素晴らしいテクニックで、しかも正確無比。音色も美しく、非常に高度な演奏でした。

その圧倒的なテクニックで若いときのアルゲリッヒと比べられたりもするらしいですけど、でも私は昔、上野の文化会館で聴いた小澤征爾指揮、新日フィルと協演したアルゲリッヒのこの同じショパン、ピアノ協奏曲2番が、この曲の演奏では比類ないものと思っているので、あくまで私の中でですが、そしてユジャ・ワンはもちろん素晴らしいんですが、私の中でそれを超えることはないです。

 

とにかく弾けちゃうんですよね。速いパッセージもパラパラと硬質な輝きを持った音色で美しいのですが、私の感覚ではこの曲はもっと膨らみのある深い音であってほしい。

 

20年、30年後のユジャ・ワンがどういう音色を奏でているか、そしてそのときも彼女が今のようなドレスとピンヒールを身に着けているのか、興味のあるところではあります。

これはyoutubeにアップされていたスカルラッティのソナタ。

こういうものは気持ちよく聴けて、とてもいいと思います。