28日に、すみだトリフォニーホールで開かれたユリアンナ・アヴデーエワのリサイタルに行ってきました。
Yulianna Avdeeva(1985~ )
ロシア生まれ。2010年のショパン・コンクールの優勝者です。
1月に私の先生の生徒さんの発表会が、同じトリフォニーであったんですが、それは小ホールのほう。
今回は大ホールなので、こちらは初めてでした。
ホール内部の撮影は、演奏中でなくてもだめみたいで、こちらはロビーの様子。
とても立派で綺麗なホールです。
さて、肝心のリサイタルのほうですが、私、今回はちょっと音響が気になって、前半はいま一つ音楽に入り込めませんでした。
遠く感じるし、もっと綺麗な音のはずなのに、厚みのある和音など濁って聴こえる。
長く伸びると唸りが生じているような。
席が失敗だったんでしょうね。
私がチケットを申し込んだときは、あまりいい席が残っていなくて、2階の一番後ろの席を買ったんですが、3階席があったんですね。2階席の上に張り出した3階席の部分が、頭の上近くにある感じで。
つまり、私の席はポケットの一番奥になっていたわけです。
すみだトリフォニーは音響がいいと評判らしいのに。
でも、ネットで見ると、「2階席はひどい」という書き込みもありました。
2階でも一番前のほうならよかったんでしょうけど。
この次、チケット買うときは気をつけようと思います。
でも、プログラム後半になると、演奏のほうが素晴らしいので、音響のこともしばし忘れることができました。
プログラムは、前半はバッハのイギリス組曲とショパンのバラード2番、4つのマズルカ、ポロネーズ。後半はオールリストでした。
アンコールはショパンの遺作のノクターン、リストのリゴレット・パラフレーズ、ショパンのワルツ作品42でした。
本当に才能のあるピアニストです。
テクニックももちろん素晴らしいのですが、隅から隅まで音楽そのものという感じ。
最初の音から、最後の音の余韻とその後の空気感まで神経が行き届いています。
それでいて、自由闊達でしなやかな印象。
彼女がショパン・コンクール優勝というのは、大いに納得できるところです。
できればもっといい席で聴きたかったなと、そこだけが残念でした。
余談ですが、隣の席のおじさまが、熱心なファンらしく、ずっと双眼鏡(オペラグラスというには大きかったような)を覗いては盛大な拍手を送っていました。
アヴデーエワの当日の衣装は、銀灰色のような上着に黒のスリムパンツ、黒のローパンプス。髪はアップにしていましたが、ジョルジュ・サンドを思わせるような男装の麗人ふう。
すらりとした立ち姿も演奏する姿も美しく、そういう意味でもファンが多いのかもしれませんね。
終演後、CD購入者にロビーでサインに応じていましたが、長蛇の列でした。
また来日したときは、聴きに行きたいと思います。
コメントをお書きください