ロマノフスキー ピアノ・リサイタル

昨日は七夕。清水の七夕祭に出掛ける人が多かったのかもしれませんが、私は逆の方向へ向かって、AOI音楽館で催されたロマノフスキーのリサイタルに行ってきました。

AOIのホールは、私の大好きなホールです。

音響もいいし、内部も正面にパイプオルガン、天井のシャンデリアも素敵だし、とても綺麗。

発表会でも何度か利用させてもらいましたが、スタッフの対応も親切で行き届いています。

Alexander Romanovsky(1984~ )

ウクライナ生まれだそうです。

この横顔の写真、クラシックな雰囲気も漂って、リストの肖像みたいじゃありませんか?

 

プログラムはシューマンのアラベスク、トッカータ、そして「謝肉祭」。休憩を挟んでムソルグスキーの「展覧会の絵」でした。

前半の「謝肉祭」が終わったところで、もう割れんばかりの拍手で、まるでリサイタルの最後みたいだったんですけど、後半の「展覧会の絵」も圧巻でした。

 

テクニックもすごいんですけど、音も強く豊かな音量で、圧倒的でした。

でも、素晴らしいのは、その音量の幅を生かして奥行きや遠近感を含め、多彩な表現をしていたこと。

最近は若いピアニストでテクニックのすごい人が次々と出てくるんですけど、テクニックをひけらかすだけでは一流にはなれないんですね。

ロマノフスキーは節度やバランスを保ちながら、品格のある演奏をしているなという印象でした。

 

最後は彼の強靭な音に負けないくらいの大きな拍手が続き、アンコールに応えて何と6曲も弾いてくれました。

ショパンの革命エチュード、遺作のノクターン、リストの超絶技巧練習曲から10番、スクリャービンの12の練習曲から12番、バッハの管弦楽組曲からピアノアレンジのもの、平均律クラヴィーア曲集からプレリュードと、多岐にわたるものでした。

 

姿勢を正して会釈する姿、聴衆の称賛に何度でも応えようという誠意も感じられ、とても気持ちのよいリサイタルでした。

私も背筋を伸ばしてピアノに向かわなきゃと思いつつ(笑)、帰途についたのでありました。