快挙

素晴らしいですね。

2日続けての日本人のノーベル賞受賞のニュース。

医学生理学賞の大村智先生と物理学賞の梶田隆章先生。


私が面白いなと思ったのは、大村先生は寄生虫病治療薬「イベルメクチン」の開発で、何億という人々を救っていて、そこから上がった利益もアフリカの人たちに無償で薬を提供したり、北里研究所の研究費に充てられていたり、ご自分の地元には温泉施設や美術館までつくって地元の方たちにも還元していること。

まさに研究の内容も、私たちが聞いてもわかりやすいし(原理なんかはわからないですよ)、成果も目に見えますよね。


でも、梶田先生の研究のニュートリノやらカミオカンデの話は、説明を聞いてもなかなか理解できるものではありません。

先生も、「それは何の役に立つんですか」なんて聞かれても、しばし沈黙の後、「それは私にも答えられない。何百年後かに何かに結びつくかもしれない」というようなお答えでした。

でも、きのうの会見の中では、「具体的に何かに役立つというよりは、人類の知の地平を広げるようなもの」というような説明をなさっていて、これは具体的ではないけど、わかるような気がしました。


全然次元の違う話ですが、高校のとき数学の先生が、「よくみんなはこんな勉強が何の役に立つんだと言うけど、いまやっている数学が君たちの将来の何の役に立つというよりは、数学的な思考ができるようになる、それが大切なんだ」というお話をしてくださって、何十年も経つんですが、私はこの言葉でこの先生のことを鮮明に記憶しています。


でも、ジャンルは違っても、お二人ともお人柄も誠実で謙虚な方のようで、学者さんや音楽家はこうでなければいけませんよね。


続くノーベル賞の発表や、この後のお二人の研究に関する報道も、興味がありますね。