ルガンスキー

先日、Eテレで放送されたニコライ・ルガンスキーとN響の共演で、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を、録画で聴きました。

(Nikolai Lugansky  1972~ )

ロシア生まれのピアニストです。

こちらはyoutubeにアップされていた同じラフマニノフのプレリュードの演奏。

ラフマニノフを得意としているんですね。


私が初めてルガンスキーの演奏を聴いたのは、彼がまだ十代のころ、清水の文化会館ででした。

当時、同じロシア(当時はソ連)のエフゲニー・キーシンが、神童として大フィーバーを巻き起こしていて、池袋の芸術劇場まで新幹線に乗って聴きに行きました。

弱冠15歳のキーシンのすごい演奏にただただ驚嘆して帰ってきて、ルガンスキーを聴いたのは、その1週間か10日ぐらい後だったと思います。

そこでまたびっくり。完成されたテクニックは非の打ちどころがなく、音楽的にも素晴らしいものでした。

こんな若手が1人ならずいるとは、ソ連恐るべしと思いましたね。

たしかあのとき、楽屋まで行ってサインをもらった記憶があるんだけど、あのサインどこに行っちゃったんだろう(^_^;)

当時小学生だった長男を連れていると、サインも気持ち的にもらいに行きやすかったんですね(笑)


当時のソ連では、国家として幼児からの徹底した英才教育をやっていて、進級のたびに容赦なくふるい落とされていくので、最後にピアニストとして生きていくことができる人は、本当の逸材だけという評判でした。


ソ連が崩壊して、前にここに書いたことがあるブーニンは、その前に西側に亡命し、キーシンは2002年に英国籍を取り、その後2013年にはイスラエル国籍になっているということです。

このルガンスキーはずっとロシアにとどまって、いまはモスクワ音楽院で教えてもいるんですね。

演奏も、ロシアの伝統を受け継いだ演奏のように思います。

厚みと重みのある音色は、まさにラフマニノフにぴったりですね。