The Beethoven file

昨夜(きょうの早朝?)は寝る前に何げなくかけたBSで、「ベートーベン・ファイル」というドイツで制作されたドキュメンタリーをやっていました。

最初の10分間ぐらいは見逃したんですけど、どうも再放送だったような。

 

Ludwig Van Beethoven(1770~1827)

ベートーヴェンの遺品として発見された2通の手紙をもとにして制作されたようですね。

主に彼の耳の疾患が悪化していく経緯が音楽に与えた影響と、ダイム伯爵夫人ヨゼフィーネとの恋愛に重点を置いたつくりになっていました。

 

もっともベートーヴェンは惚れっぽいというか、以前に音楽史の講座を聴いていたときに、ベート―ヴェンが恋した女性の肖像画をずらずらと、10人ぐらいプリントしたものを見た記憶があります。貴族や上流階級の女性ばかり、それも夫のいる女性に夢中になる癖があるというか(笑)

ヨゼフィーネの姉と婚約していた時期もありましたね。

ベートーヴェンは生涯結婚していませんから、ほとんどは失恋や破綻に終わったんじゃないでしょうか。

 

ベートーヴェン自身は自分が出入りする上流階級の人たちと対等なつもりなんですけど、いくらフランス革命前後の激動の時代で階級意識が変化していたとはいえ、貴族から見れば彼は平民ですからね。

ハイドン以前ぐらいまでは、お抱えの音楽家は召使たちと同じテーブルで食事をしていたというくらいです。

 

耳が聴こえなくなっても傑作を生み出したというのは有名な話ですが、経緯を追っていくと、どんなに苦しんだかよく理解できる気がします。

彼が特注でつくらせたという補聴器も、大きくて使いにくそうだし、どれだけの効果があったのかと思います。

棒も使っていて、片方を口にくわえ、もう一方はピアノの上に当てて、ピアノから歯、顎、耳へ振動を伝えたそうですが、そんな状態でピアノが弾けたんでしょうか。

しかも、ほかにもいろんな病気を患っていたということですから。

 

もしベートーヴェンの耳が悪くならなかったら、間違いなく彼の音楽は違ったんじゃないかと思いますね。

病気になる前の初期の作品は、明るく軽やかで、モーツァルトを思わせるようなものもあります。

 

ベートーヴェンに限らず、私はよくショパンが肺結核を患わなかったらとか、ジョルジュ・サンドと出会わなかったらとか、モーツァルトが浪費家の妻を持ったために追われるように曲を書いていなかったらとか、シューマンが精神疾患に侵されなかったらとか、いろいろ考えます。

 

一般の人たちだって、あのときあの人と出会わなかったらとか、もっと早くあの人と出会っていればとか、あの一言がなければとか、もしもシリーズはいくらでもありますよね。

 

人生って不思議に満ちていますね(-_-)