きょうの朝日新聞の朝刊に、興味を引く記事が載っていました。
「ショパン 祖国に眠る心臓」というものです。
当時、ショパンの祖国ポーランドは、ロシアなどの分割統治下にあり、フランスに移住したショパンが帰国するのを許さなかったので、39歳で亡くなるまでショパンは祖国に帰ることができませんでした。
最期をみとった姉が、遺言を受けてショパンの心臓をドレスの中に隠して持ち帰ったそうです。
ワルシャワの教会の柱の中に安置されたその心臓が、今年4月に極秘に取り出され、調査されたという記事でした。
調査結果を発表した医大の教授によると、保存状態は完璧で、新しい発見もあったそうです。
ショパンは結核で亡くなったとされていたのが、後に「のう胞性線維症」の可能性があるとされ、でも今回の調査では心臓の表面に結核の特徴である白い斑点が認められたので、結核説が再び強くなったそうです。別の病気を併発していた可能性もあるそうですが。
第二次世界大戦中に一旦は何者かによって持ち出され、その後、独軍将校によって返還されたそうで、その様子はナチスによって記録映像になり、プロパガンダに利用されたと記されています。
このときにほかの人の心臓とすり替えられた可能性はないんでしょうかね。
上手な作家なら、ショパンの心臓を巡って面白い小説が1つ書けそうですね。
ヨーロッパでは一部の身分の高い人や有名人が遺体と心臓を別葬することがあったそうで、おかげでこういう研究が成り立つんでしょうね。
でも、私自身は、クリスタルの瓶の中で黄金色の液体の中に浮いているというそのピンク色の心臓よりも、やっぱり彼の音楽そのものがショパンの魂であり肉体ではないかと思います。
彼にしか生み出せない独特な韻律にショパンの心や体温を感じ、フレージングに呼吸を感じることができます。
死後165年が経ってもなお、演奏されることによって、音と共にショパンの情念と、肉体すらも立ちあがってくると思えるのです。
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