ニコライ・ホジャイノフ ピアノ・リサイタル

BSプレミアムの「クラシック倶楽部」で聴いてから、これは将来有望と期待していたホジャイノフが再来日したので、発表会の後だし、と思い切って上京しました。

ここに来るのは初めてです。

「浜離宮ホール」と思っていたけど「朝日」がつくのかぁ、ぐらいに思っていたんですけど、まさに天下の(他意はありません)朝日新聞社のビルに併設されたホールでした。

新聞社入口正面から入ってコンコースを抜けると右手にホール入口が。

 

 開演。

ステージにあらわれたホジャイノフ、22歳だったと思うけど、写真よりさらに初々しく、ほっそりして少年の面影を残していました。

金褐色のくるくるした巻毛がライトに映えて綺麗です。

 

曲目は、前半がシューマン「アラベスク」「ダヴィッド同盟舞曲集」、そしてリスト「メフィスト・ワルツ第1番」。後半がショパン「子守歌」「ピアノ・ソナタ第3番」。

 

「アラベスク」が静かに始まったとき、彼の素直なみずみずしい音楽にごく自然に引き込まれていきました。「ダヴィッド同盟」も曲ごとの性格を弾き分けて圧巻の演奏。

私、「クラシック倶楽部」で聴いたとき、相当テクニックに余裕があるなと思ったんですが、この日の「メフィスト・ワルツ」で、その全貌が見えました。

人間の手の機能の極限というものを見せてもらいました。

とてもしなやかで力強く、手や腕だけでなく、体全体が自然で脱力できていて、無駄な動きが一切ありません。

これだけ弾きまくっても、手を痛めたりしないんだろうなと思いました。

 

後半のショパンも素晴らしかったです。

鳴り止まない拍手に応えて、自分で曲目を言いながらアンコールを弾いてくれたんですが、1曲目は「カルメン」から抜粋。

2曲目は「ケンテイ」と日本語で言ってくれましたよ。シューマン=リストの「献呈」。

3曲目はブラームスの「ハンガリー組曲第1番」。

拍手がすごいので、「モウイッコ(たしか)」と言って第5番。

 

もうさすがにこれで終わりかなと思ったのですが、聴衆が大興奮で拍手やまず。

ニコライ君、しばらくたたずんでから「わかった、弾くよ」みたいな仕種で(可愛かった♥)またピアノに向かってくれました。

4曲目はヨハン・シュトラウス2世のオペレッタ「こうもり」から。

これも超絶技巧でした。手の動きが速くて見えない。

となるとまた拍手がやまないんですよね(笑)

最後に静かに山田耕筰の「赤とんぼ」を弾いて、みんな、もうお家に帰ろうよという気分に。

9時終演予定となっていたのですが、既に20分ほど回っていました。

 

終演後もロビーでCD購入した人限定のサイン会ということで、長蛇の列でした。

でも、CDは既に売り切れ。

 

あれだけ弾きまくって、若いし、お腹すいただろうな。ニコライ君、おいしいものいっぱい食べてね。と思いながらホールを後にしました。

とても贅沢で幸せな、大満足の1日でした。