Jardins sous la pluie
ジャルダン スー ラ プリュイ
「雨の庭」
雨の季節なので、雨を題材としたピアノ曲について。
そう聞いて思い当たるのは、まずはショパンの「雨だれ」かなと思うのですが。
「雨の庭」は、フランスの作曲家ドビュッシー(1862~1918)のピアノ曲「版画」の中の1曲です。
「版画」は「塔」「グラナダの夕ぐれ」「雨の庭」の3曲で成る作品。
ドビュッシーの音楽は、マラルメ、ヴェルレーヌなどの詩や、モネ、ドガなどの絵画の影響を受け、印象主義といわれています。
この「雨の庭」も、絵画的な情景が鮮やかに目に浮かぶような作品ですね。
ショパンは「雨だれ」の中で、同じ音の連打で雨の音を表現しました。
「雨だれ」がショパンが胸を患って体調が悪いときにジョルジュ・サンドと過ごしたクレタ島にあって、雨の音に沈鬱な自身の気持ちを託した曲であるのに対し、ドビュッシーのこの「雨の庭」の雨音は、踊るように軽やかに、はじけるようです。
東京の先生のレッスンを受けたとき、先生は「この雨音は、京都の竜安寺に降る雨音じゃないのよ。これはパリの石畳の上に落ちる雨音」とおっしゃっていました。
確かに気候・風土の違うフランスと日本では、雨の落ちる音も違う気がしますね。
パリの石畳なら、雨もパラパラと乾いた音を立ててはじけそう。
雨なのに乾いた音って変ですけど。
「塔」「グラナダの夕ぐれ」に続けて、このテンポの速い、軽やかな「雨の庭」は、とても効果的で素敵なんですけど、音の粒を揃えて鮮やかに弾くのはなかなか難しいです。
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